- コラム
モチベーションをぶち上げて 入選一直線! 後編
創作って、孤独との戦いみたいなところありますよね。1人で黙々とPC・用紙に向かう。ノッているときはいいけれど、壁に当たったときやつまづ いたとき、どうしてもやる気が削がれてしまいます。やる気が出ないから書けない、いや、書かない。でも書きたい。このジレンマから抜け出し、モチベーションを上げるにはどうしたらいいのでしょうか。今回は後編『公募スクール講師陣』モチベーションアップ方法を公開します!
前編では、「やる気には2種類ある」「2つのやる気をうまく使おう」「どうやってやる気を引き起こすか」をお伝えしました。
お待たせしました! 後編では、公募スクールで指導いただいている講師の先生のやる気アップ法をお伝えします。
プロの先生方だって、壁にぶち当たります。やる気が起きないこともあるのです。
では、プロはどうやって自らを奮い立たせているのか。
気になりますよね。
永井義男先生
【時代小説講座】【50歳からはじめる小説講座】【歴史・時代小説】担当
基本は「書く」を習慣化することです。どんな日であっても、▲時には机に向かう、△時にはパソコンに向かう、これを習慣にするのです。
それでも気が乗らない時は、思い切って「書く」のはやめ、「読む」ことに没頭してはどうでしょうか。
小説を読んでいると、いつしか小説を書きたい気分がふつふつと湧いてくるものです。
若桜木虔先生
【小説新人賞必勝講座】【文学賞別添削】【落選理由を探る】他2講座担当
やる気を日常的に維持するキーポイントは、「これなら、いくらでも、できる」という好きなことに具体的な目標を設定することです。
やることに苦痛を感じるようなことを目標にしたら、まず挫折するし、ストレスを呼び込むことになります。
このコーナーを読むような人にとって関心がありそうな私の目標は、「読書、年間1000冊」です。
ミステリーから時代劇まで、ジャンル問わず(但し純文学は読みません)で、1日に2~4冊を読破します。
読み終えた本で、何か感じることがあると、アマゾンのレビューに書き込みます。
ミステリーの場合は「成立し得ないトリック」とか「警察考証の間違い」が気になるし、時代考証だと「物語の時代には存在しなかった、後世の造語」の使用が非常に気になります。
これは、いちいち日本最大の日本国語大辞典に載っているか否かをこまめにチェックします。
日本国語大辞典を持っていない人は、インターネット辞書の『コトバンク』に当たると良いでしょう。
後藤みわこ先生
【はじめての童話講座】【童話公募必勝講座】【童話・児童文学】担当
むずかしいです!
わたし、常に怠け者ですから。
とりあえず、モチベーションを高める、というより、勝手にモチベーションが湧いてくる(?)方法を書いてみます。
●やる気を見失っているときは、がんばらない。「作品ファイルを開くだけで良し」とする。「一行でも書けたらエライ」と考える。実際にそこまでの行動さえすれば……気がつけば、そのまま没頭していることが多いです。
もうひとつ。
●自虐的な方法ですけれども……。「世の中には無数の書き手がいる。わたしが書かなくたって、だーれも困らない。わたしのことなんか、だーれも見ていない。よーし、気楽にいこう」……そう思うと、かえって作業が進みます。
すみません、どちらも実際の「手」なんですけど、「気合い」的なものとは程遠く、温度の低い方法ですから、お役に立ちますかどうか。
柏田道夫先生
【エンターテインメント小説講座】【歴史・時代小説】【ミステリー】担当
好きな映画を見ます。
昔から何度も見ている名作(例えば、ミュージカルの『雨に唄えば』や『ウエストサイド物語』とか)か、未見の場合、ネットなどで見つけたいわゆるB級映画(ホラーやアクション)。名作は何度見ても精神が浄化されますし、B級は頭カラッポになれて「さあ、やるか」とチェンジできます。
岡田千重先生
【はじめてのエッセイ講座】【コツがわかるエッセイ講座】他3講座担当
やる気が出ないときは体を動かします!
散歩する、運動する、わざとカフェや図書館を移動しながら、仕事をしたり書いたりしています。
また、友達と話す、猫と戯れる、映画を観に行くなど、たくさんの気分転換法を用意しておいていろいろやってみます。意外と体調や天気が影響したりもするので、食事・運動・睡眠、そのあたりを改善してみるのもおすすめです。
いろいろ試してみてください!
上野歩先生
【はじめての小説講座】【公募に勝つ!添削講座】【エッセイ・自分史】担当
僕については、やる気満々などというほうが少ないです。仕事ですから、なにはともあれ机の前に座ります。それで、ネットニュースにでも目を通しながら、気分がノッてくるのを待ちます。
会社勤めをしながら応募原稿を書いている時には、朝起き抜けに執筆してました。これだと、まだ頭がぼうっとしてて、やる気があるもないも分からないうちに始められるからです。
浅平朋子先生
【はじめての小説講座】【コツがわかる小説講座】【作品推敲】担当
鼻先にご褒美をぶらさげる。おわったら、これ食べよう。あれ買おう。飲みに行こう。
なんでもいいから、欲望を駆りたてるエサを自分に撒きましょう。
それか、なーんにもしない。ひたすらダラダラしていると、ふっとスイッチが入ります。
二日酔いで丸一日寝てた、翌朝五時の感覚です。
森美樹先生
【小説入門講座】【コツがわかる小説講座】【小説基礎】担当
やる気が起きない時は、たいてい体調が悪いのです。しかも具体的な体調の悪さがわからないという、やっかいな状態。そういう時は何も考えず、アロママッサージか鍼灸に行きます。身体がほぐれると心もやわらかくなって、頭には新鮮な風が吹くのです。
あとは、過去の自作を読み返します。「この時もいろいろ辛かったけれど、頑張っていたよね」と当時に思いを馳せると、気持ちが奮い立つのです。
藤咲あゆな先生
【ストーリーの組み立て方入門講座】
どうしても進まないときは、映画を観に行ったり、本を読んだりします。
このときのポイントは「今、書いているジャンルとはまったく関係ない世界観のもの」にふれることです。
こうすると、頭のスイッチが切り替わるのが早いです。
菊池優先生
【編集が教える小説講座】【小説基礎】担当
「大谷翔平」の活躍をテレビで見る、これが私のやる気の源です。
大谷は奥州市(旧水沢市)、私は釜石と郷土は違いますが、同じ岩手県です。私が多感な頃、岩手は「日本のチベット」と呼ばれ、未開発地域の象徴のように言われました。でも、いまは「大谷翔平」、「菊池雄星」、「佐々木朗希」と実力のある野球選手を続々と輩出し、岩手は世界で最も有名な地域のような気がします。MLBでは「岩手県専任」のスカウトまで検討されているとのこと。
岩手バンザイ! 大谷翔平バンザイ!
野口義修先生
【プロになる作詞講座】【作詞・作曲】担当
モチベーションを上げる秘訣は、時と場合で、全く違ってきます。
創作の最中には、作品がどうやって世の中に展開していくのかをイメージします。作品の成功信じて創作するのです。
モチベーションを上げると言う事は、自分の作品をもっともっともっと好きになると言う事であると言えるかもしれませんね。
そして、そんなすごい作品を作っている自分自身を認め、自分てすごいなぁとガンガン認めちゃってください。すべて作家たるもの、自信過剰のうぬぼれ屋さんでちょうどいいのです。
ほら、新しい作品を描きたくなったんじゃないですか
モチベーション爆上がりですよね。
佐倉ユミ先生
【小説基礎】担当
やる気が起きないときは、すっぱりと諦めて別のことをします。
散歩をしたり、おいしいものを食べたり、映画を見たり、本を読んだり。
ほかのことをしているうちに、自然と「この景色を書きたい」「このおいしさをどう表現したら伝わるかな」などと考えるようになり、その頃にはやる気は戻っています。
気の合う創作仲間と話すのもいいですね。お互いの進捗状況や、次に書きたいものの話をしていると、頑張ろう、と思います。
杉原志啓先生
【純文学】【短編小説】担当
締切を強制的に設けて、やらざる得ない状況に追い込む。
どんなコンテストがあるか分からない…そんな時は Kouboをチェックしてください!
鳥野美知子先生
【童話・児童文学】担当
①〆切を作る。
➁自分しか書けない素材を探す。
③家族に認知させる。
①公募は〆切のある最高のモチベーション。同人誌に入れば、〆切があり、熱心な読者がいる。仮に入らなくても通信講座では、クールな読者に出会える。
➁自分の周辺に転がっている素材を掘り下げる。図書館、ネット、取材で情報を集めて、それを無駄にしない。
③趣味や暇つぶしじゃない、「仕事です!」とまわりに公言し書く時間を死守する。
稗島ゆう子先生
【作品推敲】担当
・こんな物語が書きたい!と思った作品(小説だけでなく映画、ドラマ、漫画含む)を読み直したり、見返したりする。
・公募ガイドを丁寧に読む こんな賞があるんだ、出したい!と思って投稿し入選したことが
複数回あります。昔も今も大事な時間です。(ヨイショではないですよ~)
あと、これはモチベーションとは違うかもしれませんが、
原稿の書きかけの部分をスマホに落としておく通勤や外出先などちょっとした時間に原稿の続きを考えるのに便利…とかです。
岩永嘉弘先生
【ネーミング・キャッチコピー講座】担当
やる気が起こらない。取り掛かる気持ちにならない。そんなとき(毎度ですが)私は、そのやらねばならない問題から、とにかく離れます。
忘れます。
一番いいのは体を動かすこと。軽いスポーツですね。私の場合はプールで泳ぐ。あたまを空っぽにして1時間くらい2000mほど流すと、やる気を取り戻します。
それ以外に方法はありません。
野崎麻理先生
【はじめての絵本講座】担当
・作品の完成をイメージして、そのためにはいまから「なにを」「いつまでに」やるべきかをメモに書き出します。終わったら消していくとすっきりして次のやる気につながります。
・制作がすぐにできるように必要な画材などを取り出しやすくしておきます。
・忙しい毎日で1時間や30分作業をすることはなかなか続かないので、私は15分(1/4時間)でちょっとできることを積み重ねると意外と仕事が飽きずにはかどります。
三上詩絵先生
【はじめての色鉛筆画講座】【三上詩絵の色鉛筆画講座 中級】担当
気持ちが乗らない時に無理に描いても良い絵にはなりません。
展覧会を見に行ったり本を見たりと気分転換をします。大きな展覧会で巨匠の絵を見て感動したり、小さな展覧会で刺激を受けたりすると描きたい意欲が湧いてくるかもしれません。
大きな作品を描いていて行き詰まった時は、小さな短時間で仕上がる作品を描きます。達成感や満足感を得られ再び新たな気持ちで絵に向き合えます。
絵を描いていると毎回何か問題点が出て来ます。少し大変でもそれを乗り越え描き上げたときには間違いなく上達しています。ワンランクアップした完成作品をを楽しみに描き進めてください
いかがでしたか。
プロの先生方も、やる気が出ない時があると分かって、私はちょっと安心しました。
先生方もいろいろ工夫されていて、参考になりますね。
ただし! 前編でも書きましたが、体調不良や頭も体も疲れ切って何もできない時は、創作から離れて徹底的に休息しましょう。やる気の出ない自分を責めるのは逆効果ですよ。
それでは、また次回、お会いしましょう!