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「感動が伝わる写真を撮るために」写真家こばやしかをる(後編)

「#ワンマイルフォト添削講座」開講記念インタビュー!後編では、写真の「基本のき」や被写体を探すコツを伺いました。第2回「#窓辺の風景」のポイントも!

こばやしかをる

写真家。Photo Plus+主宰。フォトアドバイザーでもあり、制作・企画と編集、プロデュース・ディレクションなど写真に関する幅広い分野で活躍中。カメラ雑誌、WEBなどにも寄稿している。リコーフォトアカデミー講師。

〈前編はこちら〉

感動を伝えるために技術を学ぶ

――まもなく雑誌公募ガイドで「こばやしかをるの#ワンマイルフォト」が始まりますね。応募作品の添削講座もおこなうということですが、普段はどんなお仕事をされているのでしょうか?

こばやしかをる先生(以下、こばやし先生)
作品を発表したり、カメラ雑誌やWEBの原稿を書いたり、メーカー講師もつとめています。企画立案、販促活動のお手伝いやコンクールの作品審査などをしています。

――写真家としてだけでなく、講師業も精力的におこなわれていらっしゃるんですね。

こばやし先生
作品を撮って発表して、と写真家としての活動はいつでもできますし、写真文化という側面では教えることの方が大事な仕事なんじゃないかと思っています。楽しく真剣に学んでほしいので、講座では厳しめに教えます。(笑)

――講師としてアマチュアの作品を見る機会が多いと思うのですが、共通点はありますか?

こばやし先生
とにかく基本を知らない!(笑)誰でも簡単にそれっぽいものが撮れてしまうのは、デジタル時代の特徴ですね。公募ガイド9月号の「あなたにしか描けない絵本がある」の特集で、「色使いの基本のき」として色の三属性や色相環が載っていましたが、こういうベーシックな情報が大事。写真も「基本のき」がないと上達しにくいです。

この1冊で絵本をつくろう!
公募ガイド9月号
「あなたにしか描けない絵本がある」

(公募ガイド社・680円)

絵本のプロに、ストーリーから色塗りまで、すべて教えていただきました。あなたも特別な1冊を作りませんか? 夢中で考えて作るよろこびをぜひ味わってください。

――「写真の基本のき」を具体的に教えてほしいです。

こばやし先生
そもそも “Photograph” には「光で描かれたもの」という意味があります。光の読み方や明るさの調整が重要です。伝えたいことを伝えるために、陰影のバランスをきちんと捉えないといけません。あとは構図ですね。

――構図はどんなことを気にするとよいでしょうか?

こばやし先生
自分が一番伝えたいモノ・コトを絞り、不要な情報を削っていくことです。主役が引き立つように、画面の中を整理しながら写すものを引き算した後に、技術や機械を足し算していく感じです。それを実現するためには、逆に三脚とかストロボとか機材は増えていくんです。

第1回「#気持ちのいい青空」の作品例2
「空に手を伸ばす」

こばやし先生「木が空に手を伸ばしているようでとてもいいですが、街灯が写り込んでしまっていますね。全体のバランスが崩れてしまっているので構図を変える必要がありそうです」

詳しい添削はこちら!

――被写体を探すことも大事だと思いますが、コツはありますか?

こばやし先生
心から「撮りたい」と思えるものを探すことです。素直な感動は共感を呼ぶけれど、「よし撮るぞ」と気負った作品や「どうだ、うまいだろう」という作品は共感されない。技術が人を感動させるわけではではないんですね。だから、まず自分の心が動かされるものを探すこと。それから感動したものを撮ってください。

――感動を伝えるために様々な技術が必要になってくるのですね。

こばやし先生
そうです。まず心が動き、その感動がどこから来ているのかを探す。その上で、そこにいない人に伝えるためにはどんなことが必要かを考え、それを実現する技術を学ぶ。こういった流れが大事ですね。

――最後に、読者にメッセージを!

こばやし先生
添削講座を通じて何か一つでも発見してもらい、皆さんの成長につながればいいと思っています。写真を添削されるのはドキドキするかもしれませんが、作品の良いところも悪いところも、気が付いてもらえるようにお伝えします。だめな所はだめとはっきり言うけれど、こうすると良くなるよと具体的にアドバイスするので安心してください。成長すれば写真がもっと楽しくなる。「楽しい!」を続けるために、ぜひ挑戦してください!

こばやしかをるの #ワンマイルフォト

第2回課題「#窓辺の風景」(2021年9月30日締切)挑戦者へのアドバイス

こばやし先生「カフェやベランダ、休憩時の気持ちのよい場所などから、どんな風景が見えるのか切り取ってみてください。誰もが見る場所がいいですね。車窓とかもありますよ。動いているので難しく感じるかもしれませんが、風景が流れていくという条件をむしろうまく使うとか、電車の止まるタイミングを狙うとか、工夫してみて下さい!」
応募はこちら

取材

岡田千重
フリーランス・ライター。広告物の企画・ライティングの経験を経て、2003年より映像系クリエイターにインタビューをするようになる。現在は月刊公募ガイドでも作家のインタビューを手掛ける。2012年、1000字シナリオコンテスト最優秀賞受賞。2013年度より、シナリオ・センターにて講師およびシナリオ添削を担当。公募スクールではライティングやエッセイの講座を担当。

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