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「感動が伝わる写真を撮るために」写真家こばやしかをる(前編)

「#ワンマイルフォト添削講座」開講記念インタビュー!前編では、こばやし先生がご近所を撮ろうと思ったきっかけや審査のポイントを伺いました。

こばやしかをる

写真家。Photo Plus+主宰。フォトアドバイザーでもあり、制作・企画と編集、プロデュース・ディレクションなど写真に関する幅広い分野で活躍中。カメラ雑誌、WEBなどにも寄稿している。リコーフォトアカデミー講師。

気軽に撮り始めて

――こばやしかをる先生は共著で『毎日が楽しくなるご近所フォトのススメ』(日本カメラ社刊)を出されていますよね。そもそもご近所を撮ろうと思われたのはなぜですか?

こばやしかをる先生(以下、こばやし先生)
最初は日記代わりに始めた記録的なものでした。上達にはたくさん撮ることが大事なので、気軽に行けるご近所で練習を兼ねて撮っていたんです。公募ガイドでの連載「こばやしかをるの#ワンマイルフォト」では近所で撮影した写真を募集中です。これから応募作品の添削講座も始まります。

公募ガイド11月号スタート!
連載「こばやしかをるの#ワンマイルフォト

お家からワンマイル(1.6km)のご近所で写真を楽しもう。レンズを通せば新たな発見がきっとあります。スマホ写真も大歓迎!

――そうなのですね。近所なら気軽に撮影に出かけられるし、初心者も挑戦できそうです。

こばやし先生
連載への応募作品を撮るカメラも、最初はスマートフォンやコンパクトデジタルカメラでいいので、とにかく気軽に撮り始めてほしいです。友達や家族とか、身近な人が映っているといいですね。写真は究極、コミュニケーションでしかないので、いろんな人と会話していい表情を撮る力をつけていただきたいです。楽しい瞬間を切り取った作品に期待したいと思います。

距離を置いて客観的に見る

――連載では応募作品の審査もされると思います。コンクールで審査をするときは、作品のどこを見ていますか?

こばやし先生
まず「テーマに合っているか」です。そこが合ってないと、どんなにいい写真でも落とされてしまいます。
あとは「印象的かどうか」ですね。明るさのバランスや、時間や季節と合っているかなど、被写体にとってベストなタイミングをとらえていることが大事になります。
連載の第1回「#気持ちのいい青空」なら、天気を調べて晴れる日に目星をつけておくとか。あとは台風一過の直後に青空を見られることが多いので、そのタイミングを狙うとかですね。わかる範囲で事前に調べておくといいと思います。プロは皆それをやっています。

第1回お題「#気持ちのいい青空」の作品例1
「雲とともに、どこまでも」

こばやし先生「雲の表情がいいですね。でも、これでは青空が主役になっていません。テーマに合っていないので、こういう作品は選に漏れてしまうことが多いです」

詳しい添削はこちら!

――印象的な写真を撮るためには下調べも大事なのですね。

こばやし先生
はい。天気や季節に限らず、風土の習わしや歴史を通じて知ることもあると思います。自分自身の実感が増す一つのきっかけになるはずです。そこから作品にドラマやストーリーが生まれ深みが増します。

――テーマに合わない独りよがりな作品でないか、ドラマやストーリー性があるか……判断が難しいですね。

こばやし先生
自分がその作品に酔ってしまうとわからなくなるし、客観視するのは難しいですよね。プリントしたり、時間を置いて違うことをしたり、作品から距離を置いて自分の思いと切り離すのが大事です。受講生の皆さんを見ていると、プリントしたものを見て改善点に気づき、上達する人が多いですね。
一番早く上達する方法は、人に見てもらい意見を聞くことです。そういう意味で、添削講座を受けることは効果的だと思います。

〈後編に続く〉